某古書店にて求む(2017年5月)。中身を確認しないで購入したのですが、辰巳さんのイラストが何処かには在るはず、という目論見は見事の外れてしまいました。
編集者 菅野永和
発行者 辰巳嘉裕
株式会社ヒロ書房第一文庫 とあります。
少女漫画にとんと疎いモノでして峯岸ひろみさんのポジションが全く分からないのですが、この当時の(巻末に劇画大学の広告がある事より推測するに1968・昭和43年頃)一般的なメジャー商業雑誌では、収録の峯岸作品は、時期尚早では?という気がします。老紳士の再婚者は皆、なぜか死を迎える、というテーマを骨格とした古典的なミステリーなのですが、老紳士、その息子たち、そして新しく妻となった女性のそれぞれの思惑が交錯して、引き込まれます。女性作家ならではの結末と言えるでしょう。
好みの問題と言ってしまえば、それまでですが、すぎやま・明、三智伸太郎の二人の男性作家(両者の持ち味は、まるきり別物)と比較すると、かなりに、『大人・おとな』感が漂う峯岸作品かと思います。
昭和40年初期(貸本の最末期)の貸本マンガは、どうにも中途ハンパ感が付きまとうのは気のせいでしょうか?(苦笑)
2017.5.25記。