シリーズ・松本正彦2016~その1

 既に旧聞に属することでありますが、昨年2016年、「ハクダイのカカク」管理人・ハクダイは、故・松本正彦さんの御長男である松本知彦さんに2度ほど御会いする機会に恵まれました。2016年には「松本正彦・知彦・親子展」、「松本正彦・切り絵展」が開催され、「アーテイスト・松本正彦」の業績を振り返るにふさわしい年だったと思います。不定期ではありますが、松本正彦関連の話題をシリーズとして綴っていきたいと思います(2017・6・13)。

劇画工房に参加した全8名の集合写真について。

ハクダイが知る限りでは、劇画工房に参加した全8名が一同に会した写真は一枚(ワンショット)しか存在しません。もちろん、ハクダイだけが知らないだけで、実際には複数ショット存在するのかもしれませんが。

●この写真の使用(利用)の例として次の二つを挙げておきます。

(1)辰巳ヨシヒロ氏が自著にて引用している。 例(1)劇画大学/1968・昭和43・ヒロ書房 (2)劇画暮らし/2010・平成22・本の雑誌社

(2)さいとう・たかを氏がテレビ番組で、若い頃の写真、当時の仲間、という文脈で紹介している。NHKテレビ/『探検バクモン DEEP INSIDE』(案内役:爆笑問題)  2013(平25)年1月放映「ゴルゴ13の秘密基地に潜入せよ!」

 ●辰巳氏の『劇画暮らし』収載時には次のような一文が写真に付されています。

 劇画工房オールスター。前列左から松本正彦、K・元美津、さいとう・たかを、佐藤まさあき、後列左から著者、石川フミヤス、桜井昌一、山森ススム(昭和34年夏頃)。

 ●この貴重な一枚の出所はどこなのか?

 長年疑問に思ってきたのでですが(業界的には当たり前であったのかもしれませんが)、知彦さんより、松本正彦氏所有のカメラで撮影されたという事を教えて頂き、長年のモヤモヤがすっきりしました(苦笑)。そして、なんと実際に撮影に使用されたカメラ、そしてネガフィルムが、松本家に今も残されている、と言う事実。これは結構大きなニュースではないでしょうか?

 劇画工房全8人撮影写真

 写真データは松本知彦さん公開のブログより借用。8名の名前についてはハクダイがテキスト記入。

 (1)山森ススム氏は結局京都を離れず上京せず、(2)K・元美津氏の京都よりの上京は、この約10年後の昭和44年頃。ではあるが、山森、Kの両氏が短期間ではあるが国分寺に滞在した記録が残っており(より詳細な情報は現在持ち合わせていないが)、山森、Kの両氏のわずかな滞在期間内に撮影されたと推測されます。誰が住んでいた部屋なのか?等の詳細は情報については不明です。

2017.6.13記。