漫画ゴラク・コミックス B5雑誌タイプ みなごろしの歌 佐藤まさあき

2017年のゴールデンウイークに某古書店で購入。

昭和44年1月20日発行。全7作を収録。定価¥150。

巻末に「作品と私」と題して、作者自身による作品解説(作品解題)があります。また裏表紙にも、「ハードボイルドへの挑戦」と題した作者の一文があります。今回、漫画ゴラクさんの御尽力により、こうした型(原文ママ)で私のハードボイルド劇画のいくつかをまとめて戴けたことは云々・・・とありまして、漫画ゴラクに掲載された作品を集めた編集のようです。

手元にある『劇画の星をめざして』佐藤まさあき氏の自伝的著作(1996年・文芸春秋社)収載の佐藤まさあき作品リストと照らし合わせてみたところ、次のようになりました。リスト内の情報は、発表年、雑誌の場合は掲載誌のみで、精度にはやや欠けます。同一年の中では発表発行順で、「新」とあるのはリメイク。

No.1 青い漁火/コミックマガジン(芳文社)1967年(S42)

No.2 猫を噛む鼠/漫画ゴラク1968年(S43) 新(リメイク)旧作もリストに記載「残酷物語」佐藤プロ1963年(S38)

No.3 血で血を洗え/漫画ゴラク1968年(S43)

No.4 街は眠らない/漫画ゴラク1968年(S43)

No.5 血の掟/漫画ゴラク1968年(S43)

No.6 征服者の最後/漫画ゴラク1968年(S43) 新(リメイク)⇒旧作についてはリストで見つけられず

No.7 みなごろしの歌/リストに見つけられず 旧作と思われる同名の作品がリストにある⇒「黒い影」三洋社1960年(S35)

 どの作品も佐藤まさあき作品らしさが感じられます。

・貸本漫画~雑誌の移行期(端境期)直後と言える時期に制作された事もあるのでしょう、30~50ぺージ程度の作品としては、密度が濃いというか、詰めこんだ感があるように感じます。

・女性キャラクターをはじめとして、全体のキャラクターに統一感が無いような印象があります。貸本時代と違って、背景まで精緻に描写する必要が出てきた、と言えるかと思いますが、さいとう・プロのようなシステマチックな分業体制が行われていたとは言い難いでしょう。

佐藤まさあきゴラクコミックスみなごろしの歌 (2)-1024

 

 見開きです。拳銃を握るのは佐藤さんでしょうか?(苦笑)

佐藤まさあきゴラクコミックスみなごろしの歌 (1)-1024

巻末です。銃を構える御馴染みの佐藤さんの写真(苦笑)。作品解題と、編集後記的な一文です。

佐藤まさあきゴラクコミックスみなごろしの歌 (3)-1024

 

表紙です。デザイン的には真っ当すぎる?。やはり、これも佐藤さんらしいですね。

2017.10.10記す。