イガグリくんを読んでみた

 棚に20年以上放り込んであったイガグリくんの復刻版(1994年 アース出版)を読んでみました。この本は、個人的に思い入れがある本です。2009年に亡くなった母と1990年代半ばころに雑談していたころ、母の女学校時代の友人(旧制ですね)に何とかさんという人が居て、その方は福井さんというところにお嫁に行ったとかいう話が出た。その旦那さんの福井さんは有名な漫画家の弟さんだけど、あんた知ってる?というので、それは、もしかして福井英一の事なのか?と思ったら、まさにイガグリくんで有名な福井英一でした。母の友人の女性は、福井英一氏の義理の妹にあたる、というわけでした。

母が、思い出したように旧友へ電話したら、さっそく送ってくれたのが、今自分のところにあるこの本と言うわけです。

読み始めたら、冒頭には読み覚えがあったけど、殆ど読んでいないことが発覚(苦笑)。ほぼ二十年ごしの完読となりました。

福井英一が若くして急逝したことは、日本漫画史上、外せないトピックかと思いますが、イガグリくんは、その後二人の漫画家さんが描いているのですね。

骨格としては”勧善懲悪”的な性格の作品で、全くおとな(大人)らしくないオトナと気高い中学生イガグリくんの対比が興味深かったりしますが、昭和27~29年の漫画を取り巻く状況が見えてきますね。福井さんは手塚さんと親しく交流していたという逸話を読んだことがありますが、手塚さんのスケールの大きさに改めて感じ入りますね。

超人的な柔道の投げ技とその返し技は、柔道一直線(梶原+永島)が始めた事かと思っていましたが、こちらが元祖に相当するのかもしれません。まあ、講談(講談本含む)ではよくある展開だったりするのかもしれませんが。(全く持って無知なハクダイですね)。

イガグリくん (4)イガグリくん (3)

イガグリくん (2)

 

2019.1.20記す(2019.3.24修正)