まんだらけZENBU101号 貸本短編誌オッスの全容

貸本短編誌オッス(日の丸文庫)と聞いて、ああアレね、とピンと来る人はだんだん減りつつあるように思います。ゼンブ101号の巻末小特集(とは書いてはいませんが)として、約20ページ分を全カラーで、一冊あたり5ページ程度を写真で紹介しており、非常に資料性の高いモノとなっております。個人的には大変嬉しいのですが、この充実度を実感出来る人は少ないかもしれないなあ(残念ながら)。

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しかし、いま現在の視点からすれば、本家の影よりも作家陣は豪勢というか、マニア的な関心としてはポイント高しではなかろうか?

基本的なデータを抜粋しますと、昭和36年(1961)、月刊ペースで刊行。全67集(号)で増刊扱いは無い模様。感動やユーモア、明朗路線を前面に押し出した青春短編誌の草分け。

ハクダイは全体の十分の一程度しか、「そこそこ読んだ」レベルのモノは無いですかねえ。

水島新司、山上たつひこ、山松ゆうきち、本宮ひろし、とその後大活躍される方々の初期作品が読めるという点が一番のポイントでしょう。沼田清、みやはら啓一、山本まさはる、という、劇画タッチの希薄な作家陣を多く擁した点が興味深いですね。個人的には、この画風の流れが徐々に細くなっていったのが残念ですね。

67号全ての掲載作品リストが収録されていて資料性高し。

2021.2.3記す