影26_佐藤まさあき表紙-1024

影26集・日の丸文庫(昭和32年) その2


前回に引き続きまして影26集(日の丸文庫)です。

石川フミヤス、山森ススム、水島新司の各氏の作品も捨てがたい魅力がありますが、佐藤まさあき作品に注目してみたいと思います。

「植村探偵日記」第四話 、ミステリー漫画物語45、という文字が表紙にあることに注目したいですね。劇画、駒画、説画、新しいマンガの名称が考え出されていたわけですが佐藤まさあき氏は、あまり、興味が無かったのでしょうか?「ミステリー漫画物語」としたのが佐藤氏の精一杯のアイデアだったのでしょうか?

この植村探偵というキャラクターは、佐藤まさあきファンにも殆んど知られていない存在かもしれません。造形には金田一耕助(横溝正史)の影響があるような気がしますが、いかがなものでしょうか?昭和33年という時期を考えると、漫画では、かなりに大人っぽい雰囲気を漂わせているかと思います。植村探偵の服装ですが、これは、いわゆる「書生スタイル」というモノになるのでしょうか?

この植村探偵、佐藤まさあきのキャリア中、貸本マンガ時代の初期に描かれたのみのようですが、高度経済成長に入る前の終戦後の日本、という感じがして、捨てがたい味のあるキャラですね。

影26_佐藤まさあき表紙-1024

 

佐藤まさあき「うまくやったね」作品扉。柱には、御存知植村探偵、とあります。

影26_佐藤まさあき(ラスト)-1024

 

佐藤まさあき「うまくやったね」最終ページ。