昭和のヤバイ貸本漫画 (1)-800

購入 昭和のヤバい漫画 キクタヒロシ著 彩図社刊


まだ、読み始めたばかりですが読み応えがありますね。「貸本漫画に注目する」事自体は、大きな動きでは無いにせよ(小さな規模ではありこそすれ)継続的に進められている、といってよいかと思います。ですが、いつまでたっても再評価なり、発掘感が付きまといますね(苦笑)。

ビンテージコミックスのコレクターや古くからの貸本漫画ファン(なんかこの言い方ビミョウ)には、知られた作家なり作品も散見されるかと思いますが、漫画なりコミックの歴史を語る際の「貸本漫画」の位置付けには、大きな偏向があると思いますので、多くのコミックファンに読んで頂きたい本ですね。

冒頭の「はじめに」での次の一文は決して大げさでは無いかもしれません。

日本が世界に誇る文化であるマンガ。それは”貸本マンガ”という一風変った土壌があったからこそ花開いた、と言っても過言ではありません

コミックファンというよりカルトファンなり、ホラー系のファンが貸本漫画の存在を世の中に大きくアピールしたという側面も軽視できないでしょう。

まあ、どちらかというと、B級~C級(あるいはZ級)的な作品を多く集めて紹介(27作)しているのですが、取り上げられている作家では辰巳ヨシヒロが、一番、正当・正統的な存在でしょう(苦笑)。

辰巳作品は、4章の「若さゆえの暗黒! 欲望・恋愛の青春マンガの章」にて昭和42年発表の『愛の机』が紹介されています。著者は言及していませんが、O・ヘンリーの短編小説に近いテイストを感じさせる作品かと思いますね。

昭和のヤバイ貸本漫画 (1)-800

昭和のヤバイ貸本漫画 (2)-800