赤塚不二夫これでいいのだ  日本図書センター 人間の記録147 を読む


図書館で借りて読んでみた。

2002年12月 第1刷で、戦中編(満州1)、終戦編(満州2)、戦後編①(大和郡山・新潟)、戦後編(東京)の4つの章立てで構成。目次には戦終編(満州2)とありますが、これは単純なミスかと思います。

口述筆記なのか?どこまで編集側の意向があるのか?など、言い出したら切りが無いのですが、赤塚さんの生の声(想い)を強く感じさせる内容かと思います。時系列的な情報の確度、事実の取捨選択、かなり赤塚さんの主観なり思い込み寄りのように思いますが、その分、人間・赤塚不二夫に迫れていると思います。

 ギャグマンガ家・赤塚不二夫の存在の大きさ故に、分かりやすい『物語』ばかりが流布しているのかもしれませんが、その手のカタルシスからは、幾分遠い内容かと思う次第。

 戦中編(満州1)終戦編 (満州2)の内容は圧倒されるばかり。悲惨の一言で片づけるのは簡単ですが、語られなかったのか?書かれなかったのか?出版されなかった?知る由もないのだが、もっと悲惨な出来事もあっただろう事は容易に想像が付きます。

赤塚さんの両親は、お二方とも聡明な方であったと思われます。両親への深い感謝と愛情を感じさせます。

2017.3.26記す。