漫画家本vol.7 さいとう・たかを本

2018年9月17日初版第一刷発行、小学館少年サンデースペシャル。記憶に間違いが無ければ、昨年2018年のうちに購入していたのですが、結局読み終えたのは今年の10月頃。

『さいとう・たかを作品』、または『さいとう・プロ』作品のクオリティの高さを改めて実感させられました。人気がそんなに出なくて短命に終わった作品も少なくないのだろうけど、とにかく多作というか、複数の連載を抱えるのが当たり前の時代、マンガ市場の拡大とともに歩んで来たマンガ家世代、ヒット作、話題作、著名作品の多さに今さらながら感心します。

証言、鼎談として辰巳ヨシヒロ、石川フミヤス、南波健二、甲良幹二郎、神田たけ志、都合五氏の名前がありますが、さいとう・たかを氏の引き立て役にしかなっていないのですから(少なくても私には、そう感じられる)、恐るべしといったところでしょうか?

なのですが、代表作や代表的なキャラクターの性質をさいとう・たかを氏個人に帰属なり収束させようというスタンスは適切なのか?と疑問に感じます。良い意味でも悪い意味でも、読者至上こそがさいとう・たかを氏の作品制作のスタンスであると理解しているので。

集団制作と個人制作、読者の求める制作の在り方とは?クリエイターとは?いろんな事を考えるのでした。まあ、そんな事はどうでもよくなりますね、巻頭のカラーページの素晴らしさの前には。

さいとう・たかを本表紙写真

 2019.12.2記す