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レイヤー化する世界 佐々木俊尚著 を読む

副題はテクノロジーとの共犯関係が始まる。2013年、NHK新書。

いまごろ読んでいては、もう遅いよ、と言われるのかもしれないが(苦笑)、かなりに刺激的な内容です。「現代」を理解するために、中世と近代の説明に多くを割いていて、世界史が、あまり得意でないハクダイには、目からウロコ、な事がタクサン出てきます。ですが、改めて歴史は「解釈」なのであるという事に気付かされます。

・ヨーロッパは辺境の地だった・・・・これに対して、どうリアクションすればよいのでしょうか?まあ要するに、ヨーロッパを中心に世界史を理解するのには無理があるということなのでしょう。

・民主主義とは何か?著者は民主主義を「デモクラシー」の対訳として使用しているかと思います。ism が入っていないのに何故に 主義?という問題はさておいて、ギリシャの民主主義と、いまの日本人が考えている民主主義はどこが、どう違うのか?という根源的な問いに行き当たってしまいます。同様に、誰のための、何のための共産主義なのか?という問題にも係わってきます。個人的には、大分前から、民主主義と共産主義についての「一般的な理解」に違和感がありましたが、その違和感がどこから来るのか氷解した感じです。

・近年、閉塞感云々とよく言われるが、その閉塞感をもたらしているモノの正体は何なのか?上っ面だけの議論だけが進んで行っているような気がしてなりませんね。

なにやら雑文もイイトコロになってしましたが、機会があったら是非読んでいただきたい一冊ですね。

 「佐々木流・テクノロジーの文明史」と帯にコメントが有るのですが、違和感ありありだなあ・・・・。勉強不足なハクダイですが、こういうコメントはありえないなあ・・・・座標軸が変る、という事だと思うのですけど・・・苦笑。まあ、分かり易くしないと売れないから、思い切って分かり易くしたのかもしれないですが(苦笑)。