hakudai のすべての投稿

マンガと宗教(朝日新聞6月5日の記事を読んで)

6月5日付けの朝日新聞に、 ” マンガに息づく宗教性 「存在の根っこ」求め格闘 「自分を超えたもの」感じる ” という記事がありまして、興味深く読みました。

 宗教者や研究者らが、マンガの中の宗教性に注目している、ということで、幾つかのマンガを取り上げています。

 教義や宗教儀礼とは関係なく「聖なるもの」「実存の支え」などとしての「広義の宗教性」という前提になります。

ここで具体的に取り上げている作品として次の3作品。 

・『リアル』井上雄彦 求道性を帯びている(きゅうどう、と読まずに ”ぐどう”と読む)

・『銀の匙(さじ) Silver Spoon』荒川弘 「もうひっとつの生き方」を探す

・『どんぐりの家』山本おさむ 生の根源を意味する『いのち』そのものを描いている

 「哲学」と「広義の宗教」がどのように違うのか、あんまり理解出来ていないハクダイですが、今更「宗教」という言葉を持ち出すまでもなく、シンプルにこれら3作品は(言うまでもなく)優れた作品だと思う次第。

 ハクダイ個人の感覚だと荒川弘作品なら「鋼の錬金術」の方が「宗教」性は高いし、宗教性の高い作品というなら、ジョージ秋山「捨てがたき人々」あたりになりますでしょうか。51歳でなくなった たかもちげん氏の『祝福王』が広義どころか、どストレートに宗教を描いていましたね。たかもちげん氏は望月三起也氏のアシスタント時代があるのが意外といえば意外ですね。