カテゴリー別アーカイブ: ハクダイのブログ

マンガの論点 中条省平著を読む その2

副題は「21世紀の深層を読む」の、この本、まだ読み終わっていません。770ページのうち、まだ450ページあたりです(涙)。全く自分の情報処理能力の低さが悲しくなるだけです(苦笑)。現実なので受け入れなければなりませんが、中条先生の10分の1でさえ読めてないですね、マンガも活字も。そしてアウトプットに至っては100倍くらい差がありますね(苦笑)。裏表紙の紹介文に、「現代日本の無意識をあぶりだす」とあり、たかがマンガを読むことで、何をあぶりだすんだって・・とケンカごしになって居る方がおられましたら、ワタクシは声を大にして言ってあげたい。いや、あぶりだせるんですよ、確実に、と。裏表紙の紹介文には、次のような文もあるのだ。

10年前すでに戦争とテロと格差社会を描いていたマンガは、つねに世相の3歩先を映し出す予言の書である

 昭和40年前後、1965年前後に生まれたワタクシ・ハクダイのような世代が、近年の若者が好むマンガ(どうにもアイマイですみません)に違和感を覚えるのも当然ですね。絵空事、という言い方がありますが、想像する絵空事の次元が違うのですよ次元が。

 さらに事態は捻くれていて、ハクダイが感じるような違和感の正体を、たんなる「刺激」としてしか感じない人たちも確実に増えているのは?と推測します(ハクダイの推測ですが)。

しかし、どういった読書層が読むのでしょうか?この本は?まあ、どうでもいい事ですが(苦笑)。

 

 

辰巳ヨシヒロ追悼シリーズ5 青春山脈

新書判、第一ジュニア・コミックスの一冊として刊行。昭和43年5月10発行と、奥付に記載があります。

記憶が定かでないのが残念でならないのですが、昭和39年(1964年)生まれのハクダイが、一番最初に接した辰巳ヨシヒロ作品であった可能性があります。中学2年ないしは3年生だったでしょうか?高校進学後だったでしょうか?このあたりの記憶がハッキリしないのがなんともモドカシイのですが、いずれにせよ1970年代終わり頃か80年代初めの事かと思います。隣町の総合病院に行く必要があり(怪我?病気?)、母に連れられて、平日に学校を休んで出かけた病院の近くにあった古本屋で買ったように記憶しています。

この時、既に、辰巳ヨシヒロが劇画の名付け親である、ということを知っていたように思います。どうして知ったのか?これを考え始めると長くなりそうなので、今日は省略しますが(苦笑)。

収録作は4作。この新書判には、各収録作の掲載誌等の情報が一切ないのですが、青林工藝舎「大発見」年譜と照らし合わせると、つぎのようになります。以下、新書判収録順に、

 (1)流れ者 49p/1965(昭40) 青春17号(集)

(2)新米先生 27p/1965(昭40) 青春13号(集)

(3)秀才教室 44p/1965(昭40) 青春12号(集)

(4)転校生 42p/1965(昭40) 青春9号(集)

みごとに、発表時期が新しい順になっていますが、とにかく昭和40年頃に描かれて発表されたモノです。

舞台が中学校なのか高校なのか?判然としませんが、そんな事はどうでもいいのです。どこか寓話めいた雰囲気も漂う架空の時代、架空の場所を舞台にした学園モノという感じです。無国籍アクション、という形容にならえば、まさに無国籍学園モノ。しかし、とにかく、その作品世界は殺伐さが感じられず、ユーモア感覚に溢れたモノ。青春山脈という単行本タイトルも、いい味というか脱力系というか(苦笑)。

辰巳ヨシヒロ作品群の中ではマイナーな部類の一群に入れられるでしょうが、捨てがたい魅力がある一冊です。ちなみに「かざま鋭二」先生の青春山脈(作:梶原一騎)より大分古い作品です(苦笑)。また、かざま先生は、佐藤まさあき氏のアシスタント出身 です。

 

青春山脈辰巳

 

レイヤー化する世界 佐々木俊尚著 を読む

副題はテクノロジーとの共犯関係が始まる。2013年、NHK新書。

いまごろ読んでいては、もう遅いよ、と言われるのかもしれないが(苦笑)、かなりに刺激的な内容です。「現代」を理解するために、中世と近代の説明に多くを割いていて、世界史が、あまり得意でないハクダイには、目からウロコ、な事がタクサン出てきます。ですが、改めて歴史は「解釈」なのであるという事に気付かされます。

・ヨーロッパは辺境の地だった・・・・これに対して、どうリアクションすればよいのでしょうか?まあ要するに、ヨーロッパを中心に世界史を理解するのには無理があるということなのでしょう。

・民主主義とは何か?著者は民主主義を「デモクラシー」の対訳として使用しているかと思います。ism が入っていないのに何故に 主義?という問題はさておいて、ギリシャの民主主義と、いまの日本人が考えている民主主義はどこが、どう違うのか?という根源的な問いに行き当たってしまいます。同様に、誰のための、何のための共産主義なのか?という問題にも係わってきます。個人的には、大分前から、民主主義と共産主義についての「一般的な理解」に違和感がありましたが、その違和感がどこから来るのか氷解した感じです。

・近年、閉塞感云々とよく言われるが、その閉塞感をもたらしているモノの正体は何なのか?上っ面だけの議論だけが進んで行っているような気がしてなりませんね。

なにやら雑文もイイトコロになってしましたが、機会があったら是非読んでいただきたい一冊ですね。

 「佐々木流・テクノロジーの文明史」と帯にコメントが有るのですが、違和感ありありだなあ・・・・。勉強不足なハクダイですが、こういうコメントはありえないなあ・・・・座標軸が変る、という事だと思うのですけど・・・苦笑。まあ、分かり易くしないと売れないから、思い切って分かり易くしたのかもしれないですが(苦笑)。

 

ご当地マンガ家について

こんばんわ 福島県いわき市生まれ、現在もいわき市に住むハクダイです(苦笑)。 まあ、いわき市外の福島県内に住んでいた時期、千葉県、埼玉県にすんでいた時期も、それぞれ数年はあるのですけどね(苦笑)。

先日、福島県郡山市出身の若きマンガ家ということで、「ゆずチリ」さんをこのブログで紹介させて頂いたのですが、 ⇒ クリック だから何?と返されそうですが、地元出身のマンガ家さんが活躍されるのは嬉しいものがあります。まあ、同じ県内でも、いわき市と郡山市(その他の会津地方など)とでは、文化圏が違うので、同じ県内といっても微妙な距離感があるって言えばあるんですが。

 そんなわけで、きょうは、ご当地マンガ家を適当に思いつくまま書き出してみます。(申し訳ないですが、さん、先生、氏等の敬称は省略させて頂きますね)また故人も含まれます。

●まず、いわき市出身

 ・蛭田達也 (コータローまかりとおりがヒットしましたね)

 ・蛭田充 (永井豪のダイナミックプロの方です)

 ・野部優美 (のべまさみ/「真・餓狼伝(しん・がろうでん)」原作・夢枕獏

 ・山口太一(故人)  (加藤芳郎門下の方です)

●郡山市出身

 ・ゆずチリ (現在、東京大学へ通う期待のニューカマーです)

 ・山川惣治(故人) (絵物語の大家ですね。少年王者、少年ケニヤが有名)

●会津地方(ここだけ、ちょっとエリアが大雑把です。ごめんなさい)出身

・笹川ひろし(アニメーターとして著名ですが、手塚治虫のアシスタント経験があるマンガ家でもありました)

・平野仁(代表作は、・・・たくさんありそう・・無難なところで、少年の町ZF(原作 小池一雄))

・高橋ヒロシ(クローズなど、不良少年モノというのですか?)

ざっと、思い浮かんだ方々を思いつくまま列挙してみました。

郡山市出身は新人と大家の年齢差大き過ぎというか、この間の世代に絶対誰か出てるはず(苦笑)。

 また、福島県在住とか、ゆかりの、とかに広げると更に色んな方の名前が挙がって来そうですが、きょうはここまで(苦笑)。

下の画像は手元に、どういうわけか在る(苦笑)少年王者第七集(山川惣治)。

少年王者 (1)少年王者 (2)

 

 

貸本マンガ「刑事24号」東京トップ社

貸本マンガの短編誌としては知名度の高い部類ですね、この『刑事・デカ』は。東京トップ社からの発行で、貸本マンガ業界としては珍しく、奥付が入っていて、発売日 昭和37年(1962)9月30日と記載されています。

表紙は、さいとう・たかをで収録作は次の4作。

・さいとう・たかを(さいとう・たかをプロダクション) イタダキ屋

・永島慎二 シリーズ黄色い涙 漫画家残酷物語12話 ひろいもの

・南波健二 ブラックホークチャレンジシリーズNo.4 罠+罠

・ありかわ・栄一 孤独(後編)

さいとう・たかを色の強い内容(一冊)になっていると思います。南波、ありかわの両氏は、まさに、さいとう・たかをフォロワーとして位置づけられる絵柄というかスタイルかと思いますね。永島慎二氏は、さいとう氏と個人的に仲が良かった(親交が深かった)という類いの話が残っていますが、そう考えないと、まるきり異質の作品が一つだけ紛れ込んでいるという印象は拭えないかもしれません。さいとう調のアクションと永島調のヒューマンドラマ、どちらが良い悪いの問題では無いですが。

掲示24集 (5)掲示24集 (4)

表紙(左)、目次(右)とさいとう作品扉。さいとう作品は、暴力組織に係わる男たちの虚虚実実の駆け引きが面白いです。

掲示24集 (1)

ありかわ・栄一作品。任侠道か?弱肉強食のルールに従うか?の二者択一を迫る、現在でも通用しそうなテーマで読ませます。

掲示24集 (2)

南波健二作品:アメリカでの悪路ゴーカート走行にチャレンジ。ゴーカートで悪路踏破というのを、実際に絵で見せられると、隔世の感があります。当時の読者は、ドキドキしながら読んだのでしょうね。

掲示24集 (3)

永島慎二:これは、何回も単行本化されていて、今でも簡単にアクセスできる作品です。53年前とか信じられないんですけど・・・・ぜんぜん古くなってないです。