相撲が最近再び盛り上がっているようです。
ブームにともない、相撲マンガも続々登場。「火ノ丸相撲」(川田/集英社ジャンプコミックス)、「バチバチ」(佐藤タカヒロ/少年チャンピオンコミックス)などが人気のようです。
「相撲マンガ」で検索をかけてみたら、次のサイトにヒットしました。
“相撲ブーム再燃!?” オススメの相撲マンガまとめ。 – NAVER まとめ
ページ下部には「相撲マンガ」のタイトルが列記されています。
■横綱谷風(前谷惟光/昭和30年野球少年2月号附録)
■横綱栃錦(工藤市郎/集英社)
■横綱栃錦(下山長平/昭和30年少年画報2月号附録)
かなり昔の作品まで記載されていて感心です。
ひとつだけ、
■怪物力士伝 (作・滝沢解/画・小森一也/徳間書店)
■怪物横丁 (作・滝沢解/画・小森一也/コスミックインターナショナル)
は同一作品で「単行本タイトル違い」かと思われます。ハクダイも、連載状況の調査にまでは当たれていませんので、このあたりは「滝沢解」の研究者の出番を待つとしましょう……。
また、滝沢解については、かなり前に作成したものですが、ハクダイの「滝沢解単行本リスト」も(不完全ではありますが)よろしければご参考にどうぞ。
ちなみにこのまとめサイトには、当サイトで取り上げさせていただいた劇画工房8人衆の「K・元美津」氏が係わっている「どすこい無法松」も記載されていて個人的にうれしく思いました。
しかしながら、
■どすこい無法岩(武本サブロー/リイド社)
と、あるのみで、「脚本・構成/K・元美津」の名前は見事に抜け落ちています。当然といえば当然ですが(実際、奥付けにはK氏の名はなく、単行本扉のクレジットがあるのみ)。
「どすこい無法岩」
・別冊アクション(双葉社)に掲載(掲載(連載)時期は1975年(昭和50)頃。詳細は調査中)。
あらすじ19世紀初頭(1800年始め頃、元号は文化時代)、名力士として有名な雷電 爲右エ門(為右衛門・らいでん ためえもん)が活躍する時代に、東北地方の磐城の国から江戸へ出てきた若者・岩蔵(四股名は無法岩)の活躍を描く青春相撲活劇。
解説作中、主人公岩蔵のセリフに「あっしは磐城国(福島県)刈田郡からまいりました」(ルビ:”いわきのくに”、”郡”に、”こおり”、あるいは ”ごおり” )、とあるのですが、ハクダイがネットで検索した限りでは、歴史的事実として、この当時、このような地名が存在したかについては確証が得られませんでした。現在、宮城県にある刈田郡(かりたぐん)を指している可能性もあります。ちばてつや氏の傑作「のたり松太郎」の連載が1973年(昭48)に開始しているので、これを意識した作品であった可能性は大いにあります。控えめながら艶っぽいシーンもありますが、俗っぽい感じがあまりしないのはさいとう・プロ作品ならではでしょう。
「時代劇相撲物」として、再評価されるに十分な傑作だと思いますので、もし「どすこい無法岩」を古書店で見かけたら騙されたと思ってぜひ1度手にとっていただきたいと思うハクダイでした。
ちなみに、単行本リイド社SPコミックスの奥付には、定価と発行日の記載はありません。それらはカバーに表示されておりまして、1巻は、昭和61年1月10日、2巻は同年2月10日の発行です。定価は1,2巻ともに480円。