先月10月29日(土)に自宅徒歩圏内で開催のいわゆる一箱古本市にて150円ほどで購入(表紙の汚れが若干気る)。同世代(少し年上)の店主さんと話し込んでしまい、流れで他にも何冊か購入。確か、これのvol.1は発売当時に新刊で購入していたはず(実際は少し遅れてヤフオクかなにかで入手した可能性もありますが。何せ記憶がアイマイ)。また、vol.3以降の刊行については未確認です。
↑左が雑誌表紙、右が目次ページ
キャッチコピーが【時代の傑作がそのままm復活!タイムスリップマガジン】。
気まぐれにメルカリで検索してみたら、700円代でSOLD表示があり、千円代の出品もあったりで、それなりに手に入らない、かつ需要あり、の一冊のようです。
いわゆる当時の少年マンガ誌、青年誌〜成人誌から、代表的な作品をチョイス。表紙と巻頭は仮面ライダーと、多数派層にアピールしつつも、あすなひろし、山松ゆうきち、安部慎一、と渋いところも配しております。実際これを書いているハクダイは1964年生まれということもあり、あすな、山松、安部の三作品の掲載誌における当時の立ち位置に関しては、なかなか想像力が及びません。個人的な推測ですが、これら三作品は掲載雑誌にあっては、決して主要作(いわゆる看板作品)では無かったように思うのですが、いかがでしょうか?
そんな中唯一の描きおろし作品(コラムは除く)である影丸譲也の「ボクの1971・全20ページ」が大変に興味深いです。
↑ ボクの1971 扉ページ
ウィキペディアより引用しつつ記載しますが、本名は「久保本 稔・くぼもとみのる」、生1940年1月3日 〜没 2012年4月5日。読みは同じ「かげまるじょうや」で「影丸 譲也」⇒「影丸 穣也」へとペンネームを変えています。この作品の描き下ろされた2003年当時は変更前の時期のようです。
1971年(昭和46年)の正月を東京国分寺の仕事場で激務に追われる場面で始まり、影丸氏の数々の傑作、話題作が紹介されます。白鯨、八つ墓村、日本の地獄、ワル、そして空手バカ一代。奥様との出会い、大阪よりの上京(1963年、昭和38年)などの個人的な出来事と社会情勢も適度に盛り込まれ、一気に読ませてくれます。
そんな中で、国分寺の名曲喫茶”でんえん”にまつわるエピソードが興味深いです。以下引用します(、一部文章を変えてます)
国分寺には、、おいしいコーヒーを飲ませてくれる、かの有名な名曲喫茶”でんえん”がある。なぜ有名かというと、知る人ぞ知る”劇画工房”時代の大先輩達の溜まり場だったのだ。との後には、十五名ほどの作家たちの名前が列記されています。(以下引用)
さいとう・たかを、辰巳ヨシヒロ、桜井昌一、佐藤まさあき、石川フミヤス、川崎のぼる、南波健二、西たけろう、松本正彦、いばら美喜、平田弘史、水島新司、ありかわ栄一(のちの園田光慶)、コン太郎
十五名全員が劇画工房・同人と読み取ってしまう方が少なからず居るようにも思いますので、劇画工房・同人は緑色で記載します。また、「松本正彦 永島慎二がこのでんえんのウエイトレスと結婚している」 との記載もあります。
↑ぼくの1971(影丸譲也)10p目(右)、11p目(左)。11p目に15名の作家の名が記載されています。
●2022.11.30記載●