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『アックス』No.104「追悼辰巳ヨシヒロ」を読んだ


『ガロ』は毎月欠かさず購入していた時期が長かったのですが、『アックス』については、たまに気になる特集があった時に購入するというスタンスで、ハクダイはそれほど熱心な読者というわけではありません。

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せっかくなので最初から最後までしっかり読ませいただきました。インターネットで情報を得るのに慣れてしまった身には、雑誌に接する事の面白さや、webとのリテラシーの違いを改めて気づかせてくれる良い機会でした。

以下、ハクダイの覚え書き風にまとめました。

●辰巳追悼関連

・つげ義春インタビュー(聞き手 兜田麟三 2015.3.17 調布にて)
辰巳作品に影響されたつげ作品。そして、めぐり巡ってつげ作品より影響を受けている「辰巳作品」。オルタナティブコミックの一つの流れとして見逃せない事実でしょう。

・池上遼一寄稿
昭和19年生まれと、劇画工房メンバーたちの次の次の世代に当たる池上氏の語る当時のマンガ業界の話題は興味深かったです。
ハクダイとしては、(年齢はあまり変わらないのですが)水島新司氏、影丸譲也氏などは「劇画工房メンバーの次の世代」という括り方をしています。

・アトス竹本(メールインタビュー)
竹本氏の、辰巳作品をヨーロッパに最初に紹介した功績はもっと知られるべきでしょう。モンマルトル共和国・大使でもあります。7ページに及ぶ長文で、フランス等のBD(バンド・デシネ)についてもわかりやすく言及されています。

・浅川満寛(劇画史研究)氏の「辰巳ヨシヒロと日本の初期オルタナティブ・マンガ・シーン」
産業としてのマンガ、表現としてのマンガというように、「マンガ」にはいくつもの側面がありますが、マンガに対する偏った見方が世間には流通し一般化されていることにハクダイは危惧感を感じています。そんな意味でもこの浅川氏の寄稿は大変的を得た、的確な内容だと思いました。

 ●その他

・しりあがり寿「コイモソレ先生」
55回と、長期連載中の作品。しりあがり氏の『朝日新聞』連載「地球防衛家の人々」は毎回楽しく拝読しております。

・蛭子劇画プロダクション 隔月蛭子劇画プロダクション社内報#36「ラーメンって必要ですか?」
「劇画プロダクション」「社内報」ときたか……。
アックス今月号の中では(辰巳氏の特集を除いて)ダントツの破壊力。

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……私見ですが最高。大好きです。
詳しくは、購入(または立ち読み)を。