矢口高雄作品を読む

10年以上前だろうか?ふと思い立って中古購入した矢口高雄作品をまとめて読んでみました。十代半ばだった1980年前後に講談社漫画文庫(1970年代終わり頃刊行だろう)でマタギ列伝を何冊か読んだのだけど、とにかくいろんな意味で衝撃的でした。

・マタギ列伝(汐文社;全6巻、B6判、チョウブンコミックス(漢字表記が正式か?)、刊行時期は奥付によると1975〜1976年)

・マタギ(双葉社アクションコミック;B6判、全3巻、奥付によると刊行(初版)は1975〜1976)

・岩魚の帰る日(単巻、B6判、汐文社ホームコミックス) 1976年初版で 現代マンガ作家選集とある。(これは短編集でマタギを扱ってはいない)

矢口高雄マタギなど10冊

B6判を10冊、完全にいわゆる斜め読みに近いところが多いのですが、矢口作品の奥深さに改めて気づかされた。というより、この年齢になって初めて気づいた事の方が多いのかもしれない・・。

創作の部分も多いのでしょうけど、マタギという人たちの存在をこうして視覚的に見れることに感謝せねばならないでしょう。世の中の変化に合わせて、当然、マタギという存在自体が変化してきたとは思いますが。活字情報だけならともかく視覚情報があるわけで、力量の無い作家が、この世界をマンガ化しようとしたら、かなりに困難な作業になるように思いますね。それこそ、異世界モノ?かファンタジーになってしまうかもしれませんね。

また、矢口さんの描く女性(少女含む)の素晴らしさはもっと強調されて良いと思います。何だかんだとあんまり類型が無いように思いますし(しいていえば、白土三平さんとかが近いかも)

 2021.5.26記載