ビッグコミック創刊物語

ビッグコミック創刊物語 滝田誠一郎著を読む


2008年にプレジデント社より刊行、2012年に祥伝社文庫化、今回はkindle版を購入して読んでみました。勉強不足で、この本の存在も、著者の方も全く知りませんでしたが、興味深く拝読しました。

プレジテント社から刊行ということは、企業モノ、業界裏話モノ的として企画された部分が多分にあるかと思います。マンガファンは、一定数存在しますが、それら漫画がどのように製作されているかに興味を持つ人間は、そう多くは無いんじゃないの?と言うのがハクダイのミカタでして、セールス的にはどうだったんでしょうか?と素朴な疑問。

著者は1955年生まれの方との事ですが、熱心なマンガファンであった事が伺えます。

ビッグコミックシリーズすべてに精通している方はかなりのマンガマニアになるかと思いますが、40年という長い期間を総括するのは大変な作業ですね、なんだかんだ言っても。一企業の40年をまとめる方が、かなりに楽かと思いますね。

マンガ表現の広さと厚みを再認識させられますが、マンガというメディアを大げさでなく「嫌っていた」というか、大嫌い~憎悪の対象ないしは眼中に無いモノ、と考えた人たちが、ほんの少し前まで、そこそこ存在していたという事実を、忘れてはなりませんね。

ガロが欲しかった例の一件にも触れていますが、格差拡大と分断が進行する現在を、創刊を飾った5人の「ビッグ・作家」たちはどのように感じるのでしょうか?(思考実験の一つですよ、あくまでも、マジにならないでくださいね)。

ビッグコミック創刊物語

 

2017.1.15 記す。