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フーテン(全)永島慎二 ちくま文庫1988.9.27一刷


フーテン(全)を本棚から取り出して読み始めました。一度通読したのか、途中までになってたのかもアイマイになっています。収録作品の発表誌が記載されていて、1967年から1970年にCOM、 プレイコミック、そして量は少ないが一部はガロに掲載とあります。1972年6月の青林堂から単行本刊行とありますが、こうして改めてみると初出、単行本化、そしてこの文庫化(ちくま文庫)まで20年間、すべて昭和の時代です。(ちなみに、その間、講談社漫画文庫で上中下の三分冊で刊行あり:1976年)。

 今は平成の三十年間も終わって令和・・・。自分の感覚というものはあてになりません、時間は誰にとっても等しく流れます(苦笑)。すでに古典と言ってもよい作品かと思いますが、こうしてみると、技術の進歩というのは人間の営みに大きく影響を与えていますね。

 裏表紙の作品紹介文には、「1960年代後半、高度経済成長の時代」という一文があるのですが、1960年代初期を舞台にした作品も含まれます。永島さんはいい意味でも悪い意味でも、数年ごとに、作品の性質が異なったような印象がありまして、ほんの数年でも、作品への取り組み意識が違うような気がします。作者の実生活と作品がリンクしているような印象が漠然とありますね(実際に調べたことは無いですが)。

さいとう・たかをさんとウマがあったというエピソードが存在しまして(本当か?個人的にはそう理解していますが)、なかなかに興味深いです(苦笑)。

検索してみたところ、筑摩書房のサイトで「創業70周年記念復刊」と紹介されていました。

2020.3.17記す。フーテンちくま文庫画像