カテゴリー別アーカイブ: ハクダイのブログ

謀略の街/長谷邦夫/若木書房

 

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表紙です。長谷さんではない方が描いているかと思われます。
ハードカバー、A5判 96ページ。若木書房の探偵漫画シリーズの33となります。
 作品中、制作年月と思われる年月(一部、年月日)が何箇所か記載されていまして、それらによると1957年の2月から3月に制作された作品のようです。この若木の探偵漫画シリーズは、つげ作品、石塚不二太郎作品が入っていたりと、コレクターにとっては広く知られた存在ですね。このシリーズは何番まであるでしょうか?ハクダイ所有は、この33番、1冊ですが(残念)。実際はカバーがあったんでしょうが、カバー無しだし、特に最初の方のカラーページなんてヤブレ、欠損が多くて悲しいですが、読む分には関係ないや……。

 アメリカから帰国した物理学者の鈴木鉄太郎青年は、サイクロ博士から託された手紙を、恩師の不二田先生へ渡すべく、西海村へ向かう。西海村は鉄太郎青年の生まれ育った町であり、原子力研究所が、まさに建設されている真っ最中であった。サイクロ博士が成し遂げた革命的な発明”原子力エンジン”を巡って○国のスパイが暗躍しているらしい。
  怪しげな預言者・八田利(ハタリ)、悪徳代議士も絡み、事件は複雑な様相を見せるが、鉄太郎の弟の中学生正太郎の活躍もあり、事件は解決する。

 当時の最先端技術である「原子力エネルギー」が作品の雰囲気作りに効果的に使用されていると思います。

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火ノ丸相撲 1巻/川田/集英社ジャンプコミックス

80代の老父の唯一の楽しみとさえ言える、大相撲のテレビ中継。老父に付き合って時間が合えば一緒に見るようにしていたら、相撲の面白さを思い出しましたよ、30年ぶりくらいに……。ということで、ジャンプ連載で、このマンガ、レンタルしてきました。

まあ、ウイキペデキィアを見れば詳細な作品紹介があるので、ここでわざわざ書くことは殆どないですけどね。

 まず、タイトルがうまいですえ、日の丸、と間違えそうですが、二重の意味で巧みなネーミングかもしれません。小兵の高校生主人公が無差別級格闘技である相撲に挑むという、熱血モノとしての王道を抑えつつ、いわゆる、暴力的な”不良”と、気弱だけど相撲が大好きという気弱な少年を”仲間”として登場させるなど、憎いくらいに読ませる要素がてんこ盛りです。作者の”川田”さんという苗字?だけ?の筆名は、このたび初めて知りましたが、それなりのキャリアがあるんでしょうね。

 2014年の今にあって、相撲マンガを企画するなら?自分的には勝手に妄想的に考えているアイデアがあったのですが、このマンガのようなアイデアには、ほど遠いものでした。さすがプロだわ……こういうマンガを企画するんだから。

“不良”の描写とかは、いかにもマンガ的ですが、相撲の面白さを再発見するには恰好の作品になっているでしょう。

BLUE GIANT 第1巻 石塚真一/小学館

雑誌で読んでみて気になっていたので1巻を借りてきました。
最近は映画みたいに公式サイトがあったりするのに今更ながら感じ入ったりしてます(苦笑)。
楽しませて頂きましたが、素直な自分と素直じゃない自分がぶつかり合う結果となりました。どういう事かというと、まっすぐな主人公に共感するなり、ある種の憧憬を持って、感情移入する自分、そして、MP3プレーヤーがあるような時代に、いくらなんでも、知識なり情報を持っていない(自ら自立的に情報を取りに動かない)主人公の設定に、それはチョッと無理があるんぢゃないの?と、幾分、さめた視線の自分。後者のようなスタンスを取る人は、社会的に”イヤな奴”にみなされるのかもしれないです、多分。「才能のあるなしは関係なし、大事なのは夢を追い続ける事」、このような社会的雰囲気が、昨今、少なからずあるように思いますが、(っと言うより、近年ますます強まっているか?) 現実を直視させられるのが、技術の進歩の結果だという事から目をそむける人が増えるだけだとしたら皮肉な事です。
 ”素直な自分”は、凡庸な言い方で恐縮ですが、画面から音が立ち上ってくるような絵にストレートに反応しまして、久しぶりにエリック・ドルフィーのアルバムを引っぱりだしてみようかな?とすっかりジャズモード突入です。
サクセスストーリーとして物語が展開して行くことが、1巻終わりの方で示唆されますが、主人公と家族や友人との関係性もていねいに描かれていて2巻以降も面白いこと間違いなし。小学生の妹がイイ感じですね。

昭和史 (水木しげる漫画大全集)/講談社

全8巻。講談社漫画賞受賞作である事からも、この作品の面白さは容易に想像がつくわけですが、なかなか読み終えられません。昭和史の”学習”も兼ねよう、などと、ある意味”不謹慎”な事を考えているのが、読み終えられない原因の一つではあります。要するに、簡単に読み飛ばすのが憚られるような雰囲気が濃厚……勝手に自分がそう思い込んでるだけなんですが。
水木先生の”常人離れ”したところは、何を今更というか語り尽くされた感がありますが、人並み外れた体力というか生命力、宗教家のような存在感、そして情報整理力の高さと絵のうまさ……人間として桁外れのスケールの方ですね。実際、アカデミックな世界なり政治の世界なんかでも大成したんではなかろうか?などと凡人なワタクシは思うわけですよ。水木先生の一流のユーモアというか照れ隠しに幻惑されているように思うのです。

「別冊漫画ゴラク」2014年7月号 日本文芸社 360円

「男塾外伝」、平松伸二作品があり集英社感を感じてしまうのですが、相原コージ作品もあって、なかなか微妙ですが、やっぱりゴラク、といった印象の読後感でした。
 個人的に印象深かったのは……
 1.「じこまん ~自己漫~」玉井雪雄 
初めて知った作者ですが、ハクダイとはかなりに同世代でしょう。自転車モノなのかエッセイ風なのか、よく分かりませんが、もっと読みたい。自分の娘の事を取り上げているのだが、愛情に溢れている。
 2.「はぐれアイドル地獄変」高遠るい
 AVみたいなネタですが(苦笑)、女性作家らしい視点があって楽しめる。
 3.おもいで停留所~バスに君が乗っていた頃~ 池田邦彦
この作家さんも全く知りませんでしたが、キャリアは長そう。常磐中央交通常陸大野駅前営業所、と作中出てきまして、おおっ、近く?みたいな親近感が(苦笑)。松本正彦的な雰囲気を感じますねえ。
 4.「あの夜のささやきが。」艶艶
R18の作家という理解が正しいかどうか分かりませんが、この作者さんはアクションピザッツアで読んでいたように思う。人間ドラマとして、興味深く読んだ。しっかし。「こーんなクソ田舎なのに、色んな女がおるわなァ」というセリフに感じ入る。
 5.「Z ゼット」相原コージ
パニックホラーという言葉が扉にある。劇場用映画になったようで、納得の面白さ。
6.「ザ・松田 超人最強伝説」平松伸二
いわゆる「外伝」的な作品なのでしょうか?まったくの想像ですが、主人公松田が登場するオリジナルがあるように感じます。
某国某政権と、そのエネルギー政策に関して、バカバカしいくらいの皮肉が小気味良いですね。下らん、マンガだよマンガ……という物言いが、かつて確実にあった、ものですが(苦笑)、まともに論じる方がバカを見るくらいのバカバカしさ故に、主義主張がストレートに伝わってきます。最終話「松田、主張する」でした(笑)。
7.「麻雀覇道伝説天牌外伝」原作・来賀友志、劇画・峰岸信明
最新刊27巻、本作は73巻、……うーん、この数字はダテではない。
ちなみに、ハクダイは麻雀打てません、ルール分かりません……それでも面白く読めてしまう作品です。
 アウトサイダーモノが成立しにくい時代だと思うのです、近年は。ギャンブラー黒沢の生き様、ロマン感じますね(アナクロっていうのになるのかなあ?近年は)。

上は 別冊漫画ゴラク 2014年 12月号。