カテゴリー別アーカイブ: K・元美津

K.元美津か?K・元美津か?、モトミヅか?モトミツか?

K氏 、元美津氏の表記は結構ヤヤコシイです。実際のところそのペンネームの運用は試行錯誤なり、その時その時での状況に合わせて変化してきた(変わっていた)、とするのが妥当なところかと思います。

K氏の本名は、本水克世(もとみずかつよ)。本水→もとみず→もとみづ→元美津 と変化したと考えられます。

「・」ドット(中黒/なかぐろ)か? 「.」ピリオドか?これは、結構ややこしいです。K氏が主要舞台としてきた昭和30年代の「貸本マンガ界」という業界の特殊性(マイナー、小資本、アンダーグラウンド等)への配慮が必要かもしれませんが(苦笑)、貸本マンガ時代に限定すれば、K氏は基本的に「.」ピリオドと考えていたように推測しています。

そして、さいとうプロ時代(=雑誌時代)。「さいとう・たかを」氏は、ピリオドであるかを問うまでもなく「・」ドット、中黒/なかぐろ、でしょう。 これに準じるかたちで、「K・元美津」とした可能性は多いにあるかと思います。 「.ピリオド」から「・ドット」への変遷時期については、現状手持ちデータが少なく何とも言えませんが。

そして読み方。正直、ハクダイは、「ケイ モトミツ」と読んでいました。「赤津」「今津」「新妻」「高田」などの苗字をどう読むか?アカツ~アカヅ、イマツ~イマヅ、ニイツマ~ニイヅマ、タカタ~タカダ、これは地域によって異なる場合が多いように思いますが、アカツでありニイツマである地域に住むハクダイは、モトミツと読んでいましたねえ(苦笑)。

K氏の本名が本水である事を知っていた古くからの仲間にとっては、「元美津」はモトミヅ=モトミズ、であったのかもしれませんが、そうでない人(ハクダイのように)とっては「モトミツ」の方が通りがよかった場合が多かったかもしれません。そして、これは、リアルタイムの貸本マンガ読者にも当てはまる事かもしれません。

本水光子さんへインタビューした際、さいとうプロ時代のK氏の名刺を見せて頂きました。住所に整合性が無く「不良品」扱いの名刺の可能性もあるのですが、裏面は2種類とも英語~ローマ字表記で1種類は「K.MOTOMIZU」、もう1種類は「K.MOTOMITSU}でした。そして表面の日本語表記は2種類とも「K・元美津」でした。

この標記問題、今後も関心をもって行きたいと思います。

(2016.6.12記)