2000円で購入した図録です。

川崎のぼる 汗と涙と笑いと~展 三鷹市美術ギャラリー


先日、出掛けてきた三鷹市での川崎のぼる展で購入した図録、じっくり読んでいます(眺めて)います。

川崎さん本人の自伝的な回想文を興味深く読みました。昭和39年生まれのハクダイにとって、川崎のぼるといえば、いなかっぺ大将、巨人の星、てんとう虫の歌の三作に尽きる、と改めて思いました。これら三作は全てテレビアニメ化されているという事もありますが、世代的に、どうしてもその辺りになります。

貸本漫画からマンガ雑誌へと活動をシフトさせた作家の内、最も時期が早かった作家の一人に数えられるのが、川崎さんであった、というのは、あまり知られていない事実かと思います。雑誌への移行なり進出を、どう定義付けるかで、また違ってくるので厳密に考える必要がありますが。

巨人の星のヒットで、一躍スターダムへ駆け上がるわけですが、連載開始時、「川崎のぼるは「新人」であった」であるかのような言説が少なからず流布していた時期があったように記憶しています。ですが、これは適切な解釈では無いと思います。病気で1年弱の療養時期があったとはいえ、雑誌で看板を張れるくらいの人気作家であった事、雑誌以外の貸本漫画での仕事も少なくなかった事、を鑑みると、十分に中堅マンガ家だった、とするのが適当かと思います。少年マガジン(講談社)の劇画ブームを牽引するのはウチだぁ的な商業戦略が背景にあったとの見方も出来ると思います。

2003年以降は、奥様の実家である熊本県へ移住、壁画レリーフの原画作成、ご当地ゆるキャラのデザイン、そして絵本製作、と今尚精力的に活動されています。

ハクダイは、正直なところ川崎のぼるマンガの「熱心な読み手」でもないし、所蔵本も極めて少ないのですが、「好きなマンガ家さんの一人であることは確かです。栄枯盛衰の激しい少年マンガ~青年~成年マンガの世界で、ここまで幅広いジャンルで作品を発表されて来た事実にまず、驚かされます。スポ根、西部劇、生活ギャグ、怪奇・・・・生身の人間の息遣いが感じられ、かつ品が良い。藤子F先生に通ずるような、人間社会への信頼のようなモノを感じます。

ハクダイ個人的に、大分前から(それこそ、いなっぺ大将を読んでいた小学生時分から)思っていた事なのですが、川崎作品の「女の子」は本当に魅力的です。いなかっぺ大将の「キクちゃん」、てんとう虫の歌の「月見ねえちゃん」(字間違ってるかも)、どうして、ああも魅力的なのでしょうか?ほんとうに小学生なの?「25歳くらいの大人の女性」的な魅力というか雰囲気、知性があるんですけど(苦笑)。中学校卒業後、働き始めた川崎先生、今より時代そのものが「大人・おとな」だったのでしょうねえ、と思います。

川崎先生デザインのゆるキャラ「いつきちゃん」関連のサイトのリンクを張っておきます。 ⇒ リンク1

また、この展示の詳細は下記サイトで取材されていますので、そちらも併せて御覧下さい。⇒ リンク2 (公式な取材となるようで、読み応えあります) ちなみに、ハクダイは、写真撮影の許可は頂けませんでした(当然ですけど)。

2000円で購入した図録です。
2000円で購入した図録です。