8ninnsyuuテキスト追加-背景灰色

シリーズ・松本正彦2016~その5 松本正彦氏御長男・松本知彦氏ミニインタビュー


 2016年7月某日及び11月某日、渋谷区(代々木上原)ファイヤーキングカフェにて故松本正彦氏の御長男である松本知彦さんと二度、お会いすることが出来ました。知彦さんに初めてお会いしたのは、2015年5月に行われた「辰巳ヨシヒロさんを偲ぶ会」の会場。会場でお見かけし、図々しく話しかけて御挨拶させて頂きました。公私に亘ってお忙しい中、時間を作って頂いた知彦さんに、一人のマンガ好きとして、あれこれお話を伺う事ができました。

毎度の事ですが、当方(ハクダイ)の準備不足及び、力量不足が大きな原因となって(苦笑)話題は取り留めもなく、話が散漫になってしまいました。ですが、興味深い内容も多く、とりあえずミニ・インタビュー風にまとめさせて頂きました。文中、一部敬称略とさせて頂きました。ご了承ください・

松本友彦さんは昭和38年生まれで、東京生まれの東京育ち。武蔵野美術大学を卒業後、某一部上場企業に約10年間勤務されたのち起業。㈱Dig代表取締役としてスタッフ20数名を束ね、イラストレーターとしても活躍されています。家庭人としては、二男二女の良き父、そして夫です

・御経営なされている㈱digの公式サイト ← クリック 

松本知彦さんのオフィシャルブログ ← クリック

以下、松本知彦さん:M~青文字太字斜体聞き手ハクダイ:H~緑文字

1. 劇画工房同人8人全員が写っている写真について

 劇画工房同人全員(8名)が写っている写真は、一枚(ワンショット)しか存在しない・・・・少なくても私ハクダイは一枚しか知らない。当サイトでもこの写真を借用させて頂いておりますが、この写真の履歴というか?出どころはどこなんでしょうか?長年、この疑問を持ち続けてきた。が、この疑問は7月の知彦さんとの面談であっけなく解消されました。

この写真は、NHK総合テレビの爆笑問題さんの番組『探偵バクモン』での「ゴルゴ13の秘密基地に潜入せよ!」2013年1月16日放送分(後編として23日放送もあり)の番組内でも紹介されており、マンガ史を振り返る場合、重要な一枚であると考えます。

当該の『探偵バクモン』に関する参考サイト⇒  その1   その2  ← クリック

8ninnsyuuテキスト追加

劇画工房同人全8人が写っている唯一の写真(人名キャプションは、ハクダイ追記)

M:あの写真はウチのですよ。実際に撮影したカメラもネガも家にまだ残っていますよ

H:ホントですか?それは初耳です。数年前にNHKの爆笑問題さんの番組で、ゴルゴ13の秘密に迫るみたいな内容の時があって、さいとうプロを爆笑問題さんの二人が訪ねる のですが、さいとうさんの駆け出しの頃だか、若かりしころみたいな流れで、この写真が出てきました。

M:そんな事がありましたか。知りませんでした。

H:オモテに、世間に出ている写真として、劇画工房同人全8人が写っている写真はこれだけだと思っているのですが・・・・

M:確かにそうかもしれない。誰かが欠けていたり、他の(同人以外)の誰かが写っていたり(苦笑)。

H:誰か撮影者が居たんでしょうか?

M:それは何とも。でも、他の(劇画工房同人意外の)人が写っているショットが残っていますね。国分寺で撮影したんでしょうね。

H:そうですね、国分寺だと思います。

山森ススム、K.元美津の京都在住の両氏は、結局、京都を離れず東京へ居を移さない~(上京しない)~なのであるが、1959年(昭和34年)に短期間ではあるが、都内に短期滞在した時期があった事は確かである。服装や、その他の状況より推測するに撮影は1959(昭和34)年の3~6月くらいかと思う。国分寺のアパート(劇画工房同人のだ誰かが住む)の一室で撮影されたものであろう。

M:カメラはアイレスの二眼レフですね。皮のケースが付いてて・・・

H:それは歴史的なカメラかと思うんですが・・・

M:そうかもしれない・・・。

 2.普段の松本正彦さんは?

H:辰巳さんの『劇画漂流』では、松本正彦さんについては、好き嫌いが激しい~偏食ぎみ、のように描かれていますが、食に関しては、どのような感じでしたか?

M:きゅうりは嫌いでしたけど、それほど(好き嫌いがあるとは)感じませんでしたね。昔はそうだったのかもしれませんが。料理するのは好きで結構してましたね。母が働きに出ていて、父の料理で育ったという感じですから。

H:衣類やおしゃれへの関心は?さぞかし、おしゃれだったような印象があるのですが?

M:そうでもないですね。若い時は知らないですけどね。でも、お袋が言うには、「ひとよりオシャレだった」とのことですが。僕が大学に行っていた頃、バーバリーのコート、父親が来ていたものを(譲って)もらいましたけど。トレンチコート。多分、いいヤツだったんじゃないですかね。

H:お住まいに関するコダワリは?

M:おしゃれも、住居もお金が掛かりますからねえ。ウチはお金無いす(苦笑い)。

H:本、映画、音楽、この三つですと、何に一番重きを置いていましたか?

M:若い頃は知らないですけど・・・。三つとも、優劣(順番)つけがたい、と思いますね。落語のテープは凄い一杯持っていましたね。

H:ひいきの落語家さんとかは?

M:志ん朝かな。それと、音楽はモーツアルト、これも、いっぱい持ってました。

H:モーツアルト、それは興味深いですね。

M:若い頃は知りませんよ・・僕が高校生くらいの時は、そんな感じでしたね。

M:映画は、寅さん・・・大好きでしたね、僕が高校生の頃(1980年前後)は。昔は知りませんけど、黒澤明とかは、大好きだったんでしょうけど。

M:本はたくさんあったんですけど、何読んでいたとかは、あまり知らないです。海外ミステリー、SF小説も読んでいたと思います。

H:寅さんが好きだったんでしょうか?山田洋二監督のファンだったんでしょうか? 

M:ペーソスものを描いていましたから、何もおきない、殺人もおきない、なんでもない日常の、人と人の織りなす機微みたいなものが彼は好きだったんじゃないですかね?東京物語とか?そうじゃないですか?小津(安二郎)も好きだだったんでしょうけど。

H:自作の単行本、原稿などは残されていたのでしょうか?

M:原稿は残っていないし・・・・、これは時代でしょうね。(自作)単行本は好きなものしか残していないですね。生活のために描くようになったものは全然残っていないですね。自分が好きで描いたものしか残っていないようです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

貴重な御時間を割いて頂きました松本知彦さんに、改めて御礼を申し上げます。

 2017.11.23 作成 文責:ハクダイのカカク管理人ハクダイ