カテゴリー別アーカイブ: ハクダイのブログ

BLUE GIANT 第1巻 石塚真一/小学館

雑誌で読んでみて気になっていたので1巻を借りてきました。
最近は映画みたいに公式サイトがあったりするのに今更ながら感じ入ったりしてます(苦笑)。
楽しませて頂きましたが、素直な自分と素直じゃない自分がぶつかり合う結果となりました。どういう事かというと、まっすぐな主人公に共感するなり、ある種の憧憬を持って、感情移入する自分、そして、MP3プレーヤーがあるような時代に、いくらなんでも、知識なり情報を持っていない(自ら自立的に情報を取りに動かない)主人公の設定に、それはチョッと無理があるんぢゃないの?と、幾分、さめた視線の自分。後者のようなスタンスを取る人は、社会的に”イヤな奴”にみなされるのかもしれないです、多分。「才能のあるなしは関係なし、大事なのは夢を追い続ける事」、このような社会的雰囲気が、昨今、少なからずあるように思いますが、(っと言うより、近年ますます強まっているか?) 現実を直視させられるのが、技術の進歩の結果だという事から目をそむける人が増えるだけだとしたら皮肉な事です。
 ”素直な自分”は、凡庸な言い方で恐縮ですが、画面から音が立ち上ってくるような絵にストレートに反応しまして、久しぶりにエリック・ドルフィーのアルバムを引っぱりだしてみようかな?とすっかりジャズモード突入です。
サクセスストーリーとして物語が展開して行くことが、1巻終わりの方で示唆されますが、主人公と家族や友人との関係性もていねいに描かれていて2巻以降も面白いこと間違いなし。小学生の妹がイイ感じですね。

昭和史 (水木しげる漫画大全集)/講談社

全8巻。講談社漫画賞受賞作である事からも、この作品の面白さは容易に想像がつくわけですが、なかなか読み終えられません。昭和史の”学習”も兼ねよう、などと、ある意味”不謹慎”な事を考えているのが、読み終えられない原因の一つではあります。要するに、簡単に読み飛ばすのが憚られるような雰囲気が濃厚……勝手に自分がそう思い込んでるだけなんですが。
水木先生の”常人離れ”したところは、何を今更というか語り尽くされた感がありますが、人並み外れた体力というか生命力、宗教家のような存在感、そして情報整理力の高さと絵のうまさ……人間として桁外れのスケールの方ですね。実際、アカデミックな世界なり政治の世界なんかでも大成したんではなかろうか?などと凡人なワタクシは思うわけですよ。水木先生の一流のユーモアというか照れ隠しに幻惑されているように思うのです。

「別冊漫画ゴラク」2014年7月号 日本文芸社 360円

「男塾外伝」、平松伸二作品があり集英社感を感じてしまうのですが、相原コージ作品もあって、なかなか微妙ですが、やっぱりゴラク、といった印象の読後感でした。
 個人的に印象深かったのは……
 1.「じこまん ~自己漫~」玉井雪雄 
初めて知った作者ですが、ハクダイとはかなりに同世代でしょう。自転車モノなのかエッセイ風なのか、よく分かりませんが、もっと読みたい。自分の娘の事を取り上げているのだが、愛情に溢れている。
 2.「はぐれアイドル地獄変」高遠るい
 AVみたいなネタですが(苦笑)、女性作家らしい視点があって楽しめる。
 3.おもいで停留所~バスに君が乗っていた頃~ 池田邦彦
この作家さんも全く知りませんでしたが、キャリアは長そう。常磐中央交通常陸大野駅前営業所、と作中出てきまして、おおっ、近く?みたいな親近感が(苦笑)。松本正彦的な雰囲気を感じますねえ。
 4.「あの夜のささやきが。」艶艶
R18の作家という理解が正しいかどうか分かりませんが、この作者さんはアクションピザッツアで読んでいたように思う。人間ドラマとして、興味深く読んだ。しっかし。「こーんなクソ田舎なのに、色んな女がおるわなァ」というセリフに感じ入る。
 5.「Z ゼット」相原コージ
パニックホラーという言葉が扉にある。劇場用映画になったようで、納得の面白さ。
6.「ザ・松田 超人最強伝説」平松伸二
いわゆる「外伝」的な作品なのでしょうか?まったくの想像ですが、主人公松田が登場するオリジナルがあるように感じます。
某国某政権と、そのエネルギー政策に関して、バカバカしいくらいの皮肉が小気味良いですね。下らん、マンガだよマンガ……という物言いが、かつて確実にあった、ものですが(苦笑)、まともに論じる方がバカを見るくらいのバカバカしさ故に、主義主張がストレートに伝わってきます。最終話「松田、主張する」でした(笑)。
7.「麻雀覇道伝説天牌外伝」原作・来賀友志、劇画・峰岸信明
最新刊27巻、本作は73巻、……うーん、この数字はダテではない。
ちなみに、ハクダイは麻雀打てません、ルール分かりません……それでも面白く読めてしまう作品です。
 アウトサイダーモノが成立しにくい時代だと思うのです、近年は。ギャンブラー黒沢の生き様、ロマン感じますね(アナクロっていうのになるのかなあ?近年は)。

上は 別冊漫画ゴラク 2014年 12月号。

リイド社「コミック乱」2014年5月号

厳密に言うと6月号が出てるから新刊じゃあないけど、今日の午前中、散髪屋にて、散髪はとっくに終わったにも関わらず読み始め、見事に完読しました(迷惑な客だ……) 。ちなみに、頼んでもらってくれば良かった!(いい年したオヤジがミットもないか?)
そして内容は……個人的に凄く良かった。
みなもと太郎の「風雲児たち 幕末編」はここで連載中なのですよ。コミックトム?とか言うと笑われてしまいそう。 大島やすいちの剣客商売が「上手過ぎる」と思うのは私だけでしょうか?親子デカから30年くらい?読者も作者も歳取るよなぁ。でも、ダテに歳だけ取ってないぜ……と、しみじみ思う。 さかもと瓢作、わたせせいぞうとベテラン勢に、秋月めぐるの算法少女が流行もキッチリ追っている感じで好対照(褒めてます)。とみ新蔵の新作(なんだろうなぁ)は本格派だし、滝沢聖峰は線が随分とやわらかくなっているけど相変わらずに上手いし……。 大手出版社とは一味も二味も違う編集センスだと思うのでした。

「グランドジャンプ 2014年No.11」2014.5.21 新刊雑誌

月2回で通巻60号だから、2012年の創刊になるのかな?初めて読んだ雑誌かも? 実は、個人的には集英社さん出版のマンガとは波長があんまり……なハクダイなので、あんまり期待していなかったんですが、楽しめました。少なくとも先週読んだスピリッツよりは波長が合いましたね。
竹谷州史は「皆殺しのマリア」を全部持っていたので馴染みがあったのですが、テレビドラマ放映中だけあって、ぐいぐい読ませる面白さのスモーキングガンです。 「キャプテン翼ライジングサン」は、あんまり思い入れのない世代なんですけど(個人的にです)、慣性が働きますね、これは。 特別読切「しあわせゴハン 魚乃目三太」はサイレントマンガなんですが、松本正彦の駒画的な雰囲気がありますね。こういう雰囲気ハクダイは好みです。 猿渡哲也の「ロックアップ」、近年の作品らしいプロレスものだなぁ、と思いつつ読みましたが、こういう世界もあるかもなぁ?という虚構を楽しめますね(チカラ入ってていいですね)。 「王様の仕立て屋~サルトリア・ナポレタ-ナ~」は(原案協力・監修者のクレジットがあります)、柔らかな画風で描く人間ドラマで、服の楽しみを考えるには良いキッカケの作品ですね。  「江戸川乱歩異人館」、しっかりしたオリジナルがあって、実力派が描くと面白くない訳ないんですよね。基本、ハクダイは江戸川乱歩好きなもので。しかし、乱歩モノのマンガって近年も結構ありますよね? 高橋ツトム……この作家は、気になるんですよねえ……個人的にはあんまり馴染みのないジャンルなんですけど。ミステリー?ホラー?説得力あります。